コラム

2005/09/13

見直したい防災インフラ(水・YH)

2005.09.13 【見直したい防災インフラ】

▼小泉首相の「郵政民営化を国民に問う」として第44回衆議院議員選挙はご承知の通り自民党が296議席で圧勝となった。焦点を絞った戦いが効を奏したようだ。兜の緒を締めることも忘れないでほしいもの

▼現実はハリケーンや台風、津波など身近な生活感のある話題の方が井戸端会議では敏感なのである。近年の新潟中越地震、スマトラ島沖地震、アメリカのハリケーン・カトリーナ等は想像を絶する悲惨な爪跡を残し、自然の力を思い知らされた。ようやく、インフラ等も含め防災の不十分さを指摘する声が聞こえるようになってきた

▼先日の台風14号では風や雨音で避難勧告が聞こえなかった、聞こえても高齢者は身動きが出来なかったなど、腹立たしいほど初歩的な理由で被災している。加えて「砂防ダムは建設業者のための事業創出に他ならない」など本末転倒な評論を展開するコメンテーターが現れなどして末世の感

▼台風は年間約27個発生。そのうち平均3個が上陸。昨年は観測史上過最高の10個が上陸。今年はもっか3個だが15号が日本列島をかすめ通った。台風情報は高い確率で提供されている。ならば防波堤や砂防ダムなど周囲の整備は万全だろうか。多くが「大丈夫」としながらも被災しているから、とりもなおさず不十分なのである

▼人類の奢りに対する自然の逆襲とする説はまんざらデタラメでもないだろう。しかし「予算が無い」として防災のインフラ整備を後回しにされている現実。このままでは国民の生命や財産の安全を政治や行政に頼れないのである。犠牲者の泣き崩れる様を何度目にしたろうか。もうご免蒙りたい。(水・YH)

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