コラム

2005/09/23

総選挙と天下統一(水・KK)

2005.09.23 【総選挙と天下統一】

▼自民党の歴史的大勝となった先の衆議院議員総選挙。10日以上たった今も、政治評論家、大学教授など識者が各メディアでそれぞれの見解を披露している

▼郵政民営化一本に焦点を絞り、「賛成か?、反対か?」と国民投票のような分かりやすい選択を迫った小泉自民党。さらに「党をぶっこわしても改革する」「殺されてもやり遂げる」等々迫力ある言葉には改革への決意が感じられ、多くの無党派層、浮動票を取り込んだ。小泉首相は戦(いくさ)上手だ

▼日本史上で武士として天下統一を目論んだ最初の人物は、平将門だろうか。平安時代末期、武士は自ら開墾した新田を所有できなかった。当時は権門勢家といわれる天皇家や貴族、寺社しか所有者にはなれなかった。武士はそれら権門に名義料を払い土地を使わせてもらうほかなかった。将門の挙兵は当然の試みだった

▼平清盛も変革を求めて、武士出身初の太政大臣になった。全国の土地の大半を独占したが、厳密には武士政権ではなかった。平家は権力を掌握したが、国家の枠組みは朝廷貴族社会のままだった。「自分で開拓した土地を自らが所有する」ー将門以来の武士の悲願を実現したのは鎌倉幕府の創設者、源頼朝である。武家政権はその後明治維新まで7世紀にわたって日本を支配した。以後、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康と天下人が現れるが、パイオニアは頼朝であろう

▼改革を旗印に296もの議席を獲得した自民党。今後、郵政法案を突破口に景気対策、年金問題など山積する諸問題の改革の真価が問われる。強い意志と具体的な行動そして結果が求められる。額に汗して働く国民のために。(水・KK)

厳選されたコンパクトな記事で
ちょっとリッチな情報収集

建設メールはこちら