コラム

2005/09/27

敬老の日の一冊(水・YH)

2005.09.27 【敬老の日の一冊】

▼先週19日は敬老の日。長寿番付が公表され、100歳以上が2万5554人になった。前年比2516人増え、またまた記録を更新。この時期になると必ず机上に一冊の本が登場する

▼曾野綾子著『完本・戒老録』(祥伝社刊)は昭和47年から著者が追補を重ねてきた、いわゆるお年寄りへの戒めの数々である。因みにお年寄りの基準は国では65歳以上を高齢者としているが同書では「自分がそう感じたとき」としているから40でも50歳でも該当する。そう言えば思い当たるフシがあるから「ニヤリ」

▼独断偏見で項目のみ選んでみる。行動範囲が狭狭くなるから「ひとりで遊ぶ癖をつける」。パソコン等使う機会が増えるから「絶えず積極的に憶えること」。皺やシミが増えてくる「自分が気にするほど、他人は気にしていない」。せっかちになるから「慌てないこと。急がないこと」。「徳のある年寄りになる」等々

▼「徳」などは何も年寄りでなくても重々承知だが、なかなか。さて長寿だが日本一は福岡県の明治26年生まれ皆川ヨ子(よね)さん112歳。参考までに同世代では作家・獅子文六氏や婦人運動家の市川房枝さん等。前年の25年には芥川龍之介氏や話題のきんさん、ぎんさん。更に27年には経営者のお手本・松下幸之助氏。同じ空気を吸い、太陽を浴びた幸せな人である

▼昨今、高齢者は弱者の風潮であるが、老人たる特徴を赤瀬川原平氏は著書『老人力』(筑摩書房刊)でこれを逆手にとって鼓舞しており実に痛快である。残念だが昨今の敬老などこの日限りのイベントに。よって各人曰く「人に依存できないから、すべからく今から心せよ」と。(水・YH)

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