コラム

2005/10/08

台風時期は工期との戦い(さ・SE)

2005.10.08 【台風時期は工期との戦い】

▼最大風速17m以上になると「台風」と定義付けられたのは昭和28年から。北太平洋西部では「タイフーン」、インド洋で発生するのは「サイクロン」、大西洋・北太平洋東部では「ハリケーン」と呼ばれる

▼国内でもこれまでに、強風と豪雨が街を襲い、大きなツメ跡を残していくつもの台風が過ぎ去っていった。建設中に台風直撃といったら、仮設足場を設置中の現場は大慌てだ。特に鳶職は台風前になると、自分の現場すべてから電話が入り「急いでシートをまとめてくれ」といわれるという

▼工事が完了し、仮設足場をはずすまで取り外しを行わない前提で設置されているメッシュシートをすべてたたみ、風に飛ばされないようにし、施工中の部分で風で破損したり、濡れてやり直しになってしまうような部分は養生が必要だ。細かいゴミや破片などでガラスが傷付かないようチェック・清掃活動も怠ることができない。重機の安全確保も大切な仕事となる

▼台風によって余計な費用が発生することもあるという。見積り時点では、メッシュシートを途中で取り外したりまとめたりする費用は計上されていない。初めから経費を見積計上していると、競争入札では落札できないからだ

▼大きな被害が生じれば、発注者との調整もあるだろうが、ほどんどは企業努力でしのいでいるようだ。ある建設会社の作業員は「台風時期は雨と風、工期との戦いです。ましてや周辺住民に被害をもたらすことは絶対にあってはならない」と。万全の対策を講じていれば、自然災害にも対処できるはず。しばらくは雲行きとのにらめっこになりそうな日々である。(さ・SE)

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