コラム

2005/10/15

強いリーダーとは(前H・I)

2005.10.15 【強いリーダーとは】

▼会員企業約1000社を抱える、ある業界団体の会長が、一か月間、夏風邪に苦しんだ。取材の後「体調はどうですか」と声をかけると「もうダメ」と元気のない応え。厳しい時代の協会運営のほか、秋に大きなイベントを控えていたので、「ゆっくり休んで下さい」とは言えなかった

▼その後、イベントが間近に迫った実行委員会の席で、会長の姿を見た。すっかり体調は戻ったようで、いつもの元気な会長の姿があった。その後は逆に筆者が体調を崩したが、会長の側で仕事をしていたら、不思議と元気が湧き出てくるのを感じた

▼取材で役所や業界のトップと会い「この人はリーダーとして優れている」と思うのは、その人の圧倒的な存在感を感じた時だ。それは、体格や容姿、声量だけではない威圧感。リーダーと呼ばれる人からは例外なく、優れた点を見つけられる。その全員がこうした威圧感を兼ね備え、圧倒的な存在感を持つ「強いリーダー」であるとは言えない

▼強いリーダーは、組織の内部を変えるとともに、組織に対する風向きを変える力を持っている。小泉首相やカルロス・ゴーン氏も、マンネリ化していた組織を生き返らせ、逆風を追い風が吹く組織に変えた。組織の持つ強さと怖さを認識し、外部に対しては先頭に立って積極的に発言した

▼会長からは以前、組織の立ち上げから社団法人化までの苦労話を聞いた。大変な信念の持ち主、行動の人である。会長の組織は、建設関連団体でありながら、会員が増加している勢いのある団体に成長した。組織や業界に対する風向きを変えつつあるこの会長は、強いリーダーと言える証である。(前H・I)

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