コラム

2005/10/25

「人間の豊かさ」とは(水・YH)

2005.10.25 【「人間の豊かさ」とは】

▼黄金色に色付いた稲穂が収穫された後、荒涼とした野原に毅然と咲き誇る花がある。「背高泡立草」(せいたかあわだちそう)。外来種のこの草は生態系を壊すと忌み嫌われてきた。しかし、荒涼とした地にあって黄色を見事に主張。むしろ日陰に咲く健気な印象さえ

▼秋風を頬に感じ、いつもの感傷だが、さて、このほど国連が「人間の豊かさ」指数を発表した。「人間開発指数」としているが、要するに一人当たりの国内総生産(GDP)、平均寿命、識字率・就学率に基づいて各国の豊かさを測ったもの

▼こうしたランキングは価値観の相違から100%納得は出来ない部分はある。しかし、評価項目の数値から推して日本はナンバーワンであろうと考える。しかし、結果はアメリカに次いで第11位。因みに5年連続1位にノルウェー、2位はアイスランド、3位オーストラリア、4位ルクセンブルグ、5位カナダ等々の順

▼大国と言われるアメリカ、イギリス、フランス等は上位に無い。実は日本だが調査が始まった90、91、93年には1位となった経緯がある。ところがその後年々順位は後退。「豊かさ」の概念を推し量るなら項目に違和感を感じるところだが、筆者の薄学たる所以だろう。どうやら「人間の」とするところに味噌がありそう

▼数字的高さは人間的とは比例しないということらしい。金銭的感覚が優先する昨今の日本的風潮からは理解し難いのだ。さすれば「昔は良かった」は実は真理ということなのだろう。お年寄りの懐古でないとするなら、町中での汲み取り作業による悪臭に豊かさを感じるには勉強が足りないということだろうか。(水・YH)

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