コラム

2005/11/30

法律は人がつくる(さ・YW)

2005.11.30 【法律は人がつくる】

▼法律に基づいて人、社会は動く。至極当然だが、日頃変な法律だなと思うことが多々ある。先日の8都県市首脳会議でのやりとりの一部だが

▼参加した首都圏の知事代理の副知事が「地方自治法何条で規定するので県が代表で話すのは云々」と述べた。これに対し石原都知事は「法律が実態を縛るのではなく、生活実態が法律をつくり、改正するのだ」さらに「法律の壁を破り、改正するよう働きかけるためにここにいる」類の発言をした。全くそのとおりである

▼最初から法律でかんじがらめにされると、何もできないと感じるのではなく、どのように改正すれば国民のためにとって良いのかを常に考えなくてはいけないのでは。建設業界で常に壁になる言葉がある。「会計法によると」や「地方自治法によると」が必ず入札契約制度上の弊害として表れることがある

▼最近非常にゼネコンが部分的に改正して欲しいと切に思っている問題が会計法においてもあるのだ。総合評価方式において、巷間、「価格と技術の両面から落札者を決定する」というのは理想であり、現実は価格のウェートが高すぎるため技術力ではさほど勝負がつかない。会計法で経済価値として算出しにくい技術力の比率は10対1と定められており、現実は価格を重視し技術力も一応見る程度の扱いにしかなっていない

▼技術力を求めるなら、実態に即した会計法になぜ国の発注者とゼネコンは迫らないのか不思議だ。「VEの提案範囲を広げて欲しい」などの要望はするが、技術力の配点を高くするために法律改正を要望したこと等は耳にしない。入札制度の多角化に適した法は人がつくる。(さ・YW)

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