コラム

2005/11/01

空想の世界にふける(さ・YW)

2005.11.01 【空想の世界にふける】

▼テレビや映画もしくは本の世界で1度同じような体験、或いは同じ場所に行ってみたいと思ったことは誰もあるに違いない

▼例えば、映画「ローマの休日」でオオドリ・ヘップバーンがスペイン広場においてアイスクリームを食べたり(現在は飲食禁止だが)、最近では映画「世界の中心で愛を叫ぶ」のロケ地である香川県高松市郊外にカップルが大勢出かけたなど自らもその世界の体験をしたような甘い幻想を求めることがあるはず

▼最近話題になった話だが、作家梶井基次郎の名作「檸檬」を高校生の頃筆者は読んだ。主人公が京都にある本屋の丸善で、近くで購入したレモンを本の上に置いた場面が印象に残っている。その丸善がこのほど閉店したが、最後の数日間になんと10個以上のレモンが本の上に乗せられてあったそうだ。なんとロマンチックな話しではないかと思わずうっとりしたものだ

▼筆者は最近、映画や本の世界ではないが、巷間世界一飲みづらい椅子のカフェと言われるカフェに入りカフェではなく「ノン・ガス・ミネラルウォーター」を注文した。その世界一飲みづらいカフェは、スコットランドのグラスゴーにある「ウィロー・ティー・ルーム」。設計者はその時代ではガウディと双璧のマッキントッシュである。背もたれの幅が狭く座高より高い奇抜な椅子になっている。周りはやはり観光客のようだ。店の隣はサッカーの中村俊輔選手が所属するセルチックのファンショップだったことも良かった

▼つくづく感じたことは本、映画の世界、もしくはある有名な噂話は体験することで味わいがある。ささやかだがその世界に身を置くのも一興だ。(さ・YW)

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