コラム

2005/11/08

アスベスト対策を早急に(水・YH)

2005.11.08 【アスベスト対策を早急に】

▼お年の所為ばかりで無いと思っているが、ことさら今年の秋の風は冷たく感じられる。OBにお会いすると、お悔やみ欄を必ず見る日々だという。昨今の世相も加わって、つい重い足取りになってしまう

▼縄文時代の平均寿命は31歳、江戸時代45歳、今年のデータでは女85・59歳、男78・64歳にも伸びた。医療技術の発達が抜本的に影響しているのは周知の事実。しかし、その医療の現場がアスベストで汚染されている。耐震施設も半数に及ばないと言う実態だ。安全と安心の最後の砦であるべき病院が危ない

▼そのアスベストだが、1970年頃から90年頃にかけて年間約30万トンがカナダやブラジル等から輸入。安価で効果的なアスベストは、建築物の内・外装等建材に90%以上が使用された。30〜40年を経て、石綿肺、肺ガン、中皮腫等の健康障害をもたらした。ようやく昨年10月より使用が全面禁止されている

▼厚生労働省の病院における吹きつけアスベスト等使用実態調査中間報告によると4433箇所の内、使用確認できた病院は28・9%にも及び、措置済みは15・9%としている。最終結果は今月下旬になりそうだが、恐ろしい結果が待ち受けていそうである。その他公共機関の調査も急がれる。悶々と待たされるのは不愉快

▼民間の小規模レベルの施設で飛散可能性がある施設は数限りないだろう。フランスでは今後10万人規模で健康被害が表面化するだろうとしている。高度成長を遂げた日本はなおさらのことである。今すべきことは早急に国、地方治自体が率先し抜本的な対策をとることだろう。長寿国日本などと言っておれない。(水・YH)

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