コラム

2005/11/10

地震予知とナマズ(水・SM)

2005.11.10 【地震予知とナマズ】

▼昔から「ナマズが暴れると地震が起きる」と言われているが、実際にそんなことはあるのだろうか。江戸時代に起きた「安政の大地震」(1855年・安政2年)の際には、地震の前にナマズが暴れたとの記述が『安政見聞誌』に残されている。また、平安時代後期の説話集『今昔物語集』の中にも、ナマズに関する記述があることなどから、かなり古くから地震との関わりが言われていたと思われる

▼人間や他の魚類より敏感な感覚器官を持つナマズは、水中の微弱な電流の変化を感じとると、暴れたり異常な行動をとることがあるという。言い伝えは、まんざら嘘でもないのかもしれない

▼ナマズに限らず、様々な動物が大地震の前に異常な行動を取ったという例が聞かれる。阪神淡路大震災の時に確認されたものでは、「犬や猫が異常に騒いだ」「前日、冬眠中のヘビが這い出して来た」「普段見ないコウモリの群れが飛び交った」「前日、タイが大量に獲れた」などがある

▼動物には、人間にはキャッチできない物理的、化学的な変化を察知する能力があるというが、地震との関係ははっきりしていない。「地震予知」については、動物や植物、地殻や雲などあらゆる手段や方法が考えられ、研究がされている

▼現状で地震の予知は高い精度では困難であるが、近い将来必ず起きるであろう大地震を、ただ待っているわけにもいかない。地震の度に悲惨な被害を繰り返すのは、あまりにも辛すぎる。せめて被害を最小限に食い止めるためには、個人の備えと心構えが求められる。それにしても、本当にナマズが地震を予知してくれたら、どんなにありがたいことか。(水・SM)

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