コラム

2005/11/15

貯蓄なし所帯23・8%に増(水・YH)

2005.11.15 【貯蓄なし所帯23・8%に増】

▼弊紙で掲載中の『人生を語る』建設産業界のトップ達−でも尊敬する人の筆頭は松下幸之助氏である。氏の『人生心得帳』(PHP刊)によると「仕事に生き甲斐を見いだせるか、そこに幸せな人生への鍵が隠されている」としている

▼そこは経営の神様が言うことで、市井との隔たりはある。しかし単純に考えてみれば平均的だが1日24時間の3分の1に当たる8時間は仕事に従事している。確かに人生の3分の1を費やしているそこに生き甲斐が見い出せるなら、それはきっと大きいに違いない

▼タンス預金世界一と聞けば守銭奴のイメージがある日本人。だが、実状は「貯蓄なし」の世帯が前年比0・9ポイント増の23・8%もあることが解った。日銀に事務局を置く金融広報中央委員会の「家計の金融資産世論調査」によるが、興味があった項目だけに意外な結果である。貯蓄額も中央値として出しているが400万円

▼昨年より30万円減少しているが、定期的な収入が減ったため、貯蓄を取り崩したーとする世帯が半数を超え51・3%。借金は41・4%(前年比0・9%増)の世帯で平均額は555万円。これも前年比62万円増えている。そこは自らの数字と比較して見ても興味深いが、どこから見ても数字的に愉快な材料は見えない

▼極めつけは「老後の生活」とする項目。60歳未満で心配としたのは8割を越えている。それも十分な蓄えがないからが7割強、年金が十分でない7割弱。年金に対しては生活費として賄うには厳しいが約48%も。「人生60%でいい」は斉藤茂太先生の言葉だが、老後に不安材料は山積。コツコツと自助努力しか道は無いのかも。(水・YH)

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