コラム

2005/11/23

2桁掛算登場19段挑戦を(本社・MM)

2005.11.23 【2桁掛算登場19段挑戦を】

▼内閣府が学校制度に関する、保護者を対象に実施したアンケート結果で「ゆとり教育批判62%」「学校より塾評価70%」「学校への不満43%」と応えるなど、政府の教育政策に対する厳しい結果が公表された

▼文部科学省が進める「ゆとり教育」に対する批判をもろに浴びせられたとして同省では反発している。丸暗記や詰め込み教育は、いく分是正されたものの、昔に比べ、また諸外国に比較して日本の学力が大幅に低下している現状は否定できない事実である

▼そんな折、日本でも2桁の掛け算に挑戦しようと『一九一九(いくいく)』なる本がライブドア関連会社から出版され、話題をさらっている。語呂合わせで記憶させようとしているのが狙いのようだが、全ての語呂合わせが習い手に伝わるものではない。無理なこじ付け合わせも見られる

▼ゼロの数字を発明した、IT大国として世界の国々に優秀な技術者を送り出しているインドでは小学生から2桁掛け算を学んでいる。最大50×50までは学習する学校もあるらしい。1ダースの概念を持つ米国や英国では12×12までの掛け算を習うようだ。教育熱心な韓国は19段までの掛け算の歌「19段ソング」が流行したことがあったという

▼日本は語呂合わせに長けた国である。イイコロだ武士の進出(1156年)、イイクニ造ろう鎌倉幕府(1192年)、ナクヨうぐいす平安京(794年)、ナント綺麗な平城京(710年)など無数にある。二桁掛け算の無理なこじ付けを、習い手側が独自で改訂してもよいが、ただ、語呂を覚えるつもりが語呂作りでつまずいていたら、能力アップにはほど遠かろう。(本社・MM)

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