コラム

2005/11/29

薬「タミフル」争奪の世相(水・YH)

2005.11.29 【薬「タミフル」争奪の世相】

▼北風が頬に感じる季節になると、インフルエンザの話題が巷を巡る。今年は特に鳥インフルエンザが流行し、人に感染する新型に変異するとの懸念もあってあって、例年になく異常に神経質な動きが見られる

▼アジアで鳥インフルエンザによると見られる人の死亡例があり心配なデータがある。過去1年に中国で3人、ベトナム22人、タイ1人、カンボジア4人、インドネシア7人が報告されている。日本ではもっか死亡例は無い。しかし、新型に変異した場合、厚労省では人口の25%が罹患すると恐ろしい予想を立てている

▼日本では既にインフルエンザ治療薬として需要が高い「タミフル」を2001年から供給している。この薬は症状がでてから48時間以内に服用すれば、効果的な抑制が働くという優れもの。通常価格は10カプセル3637円で保険が適用されると3割負担で約1100円。診療費が加わっても3000円程度のもの

▼しかし今年は新型で且つ大流行と脅かすものだから、我先にと買い占めに走っているようだ。インターネットによる個人輸入(主に病院だろうが)で10カプセル3万円もの高値で取り引きされているという。安定供給に支障があるとして、あわてふためいた厚労省では先頃になって「買い占め」をしないよう通知する始末

▼過去1918年新型のスペイン風邪では世界規模で6億人、日本でも2380万人が罹患し38万9000人が死亡した経緯がある。日本では「備えあれば憂いなし」の格言は古くから生活に密着。近く病院に「タフミルあります」との掲示が出そう。お国の「量的心配なし」の声に信頼が無いからこうなる。(水・YH)

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