コラム

2005/12/03

目指せ関取の座(前・NT)

2005.12.03 【目指せ関取の座】

▼大相撲九州場所は、横綱朝青龍が史上初の7連覇と年6場所完全制覇に加え、年間最多勝利を84に更新するなど、前人未到の偉業を成し遂げ幕が下りた。外国人力士が日本の国技である相撲に進出し、活躍する状況になると眉をひそめる人も多い。様々な意見はあるが、千秋楽で見せた大関千代大海を下した万全の寄りは、まさに最強と感じた

▼筆者は、本場所が近づくと新聞の郷土力士星取表を欠かさずチェックしている。高校時代の友人が関取を目指しているからだ。平成7年1月に初土俵、番付は今、三段目に位置している。相撲界では十両以上の力士が関取と呼ばれ、給料が支給されるなど待遇が変わってくるという

▼彼は、幼少期から柔道を始め中学、高校と輝かしい成績を残した。100?近い体格とは思えないほどの身の軽さで、宙返りを見せては、周囲を喜ばせていた。そんな明るい性格からは打って変わり、帯を締めれば鬼の形相とも思えるほどの鋭い眼光で、稽古に励む姿がはっきりと印象に残っている

▼筆者も含め仲間達はその英気を分けてもらい、元気づけられたものだ。部屋に入門すると聞いた時、「おまえならやれる」と誰もが思っていただろう。だが、やはりスポーツの世界は厳しい。年齢からくる肉体的な衰えやケガなのか、星取表に記される休場マークが続くと心配で落ち着かない。今場所の成績も黒星が目立ち残念な結果に終わった

▼スポーツ選手に着いてまわる「引退」の文字を発するにはまだまだ早い年齢である。いつかこの難局から脱し、地方版の郷土力士の表から外れ、関取として四股を踏む彼を心から応援している。(前・NT)

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