コラム

2005/12/06

安かろう悪かろうの見本(水・YH)

2005.12.06 【安かろう悪かろうの見本】

▼風邪には無縁なはずが、今年に限って本格的に患った。微熱、のどの痛み、頭痛。噂の新型インフルエンザでは無さそうなのだが「お年の所為」とからかわれる程度で済んでいる。これからが本格化するので用心が肝心

▼休暇をとって寝込んでいたが、何気なくTVを点けた。衆議院国土交通委員会の中継が飛び込んできた。3時間余り目を離すことが出来なかった。社会的問題になっている耐震強度の偽装問題をめぐる参考人質疑である。そもそもの事件のあらましはご承知の通りだが、後を絶たない状況に陥っている

▼因みに参考人質疑は偽証罪が問われない。その所為か答弁は意外にも滑らかな印象。しかし「国交省もいい加減にして欲しい、全く」「何を言ってるんだ、ふざけんじゃねえ。バカヤロウ」と語気を荒げ答弁する様が露骨に議場に響く。画面からは臨場感、緊張感が読みとれる。それぞれの立場で責任回避を懸命にする様を

▼今回の事件をなるべく客観的に判断しようと、多くの人に意見を聞いてみた。様々な意見が飛び交い、全くどこに責任があるのか甲乙付けがたい。国の責任で解決策を模索する意外になさそうな成り行きだ。ことの根本は安く構造物を提供するには、それなりのリスクが伴うという典型的なお手本ということだろう

▼公共事業に置き換えて見る。法外な安価が求められる風潮で、今回の事件ではその果てが見えたはず。適正価格に対する再認識が絶対必要だ。また、構造物の建設には、多くの業界が関わり合う。その、どの部署が欠けても事業は成り立たない。改めて建設関係業界がもっと相互に信頼し合う関係が求められる。(水・YH)

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