2005/12/08
定年後は普請道楽を(前H・I)
2005.12.08 【定年後は普請道楽を】
▼本紙ではかつて読者や関係者から、翌年「年男・年女」を迎える人を対象に、「もし宝クジで一億円当たったら?」という質問をしたことがある。質問する側としては、様々な回答が寄せられるものと期待している
▼全世代にわたって多い回答が「世界一周旅行」。年代別では、24歳が「高級車の購入」、36歳、48歳になる人からは「住宅ローンの返済」「子どもの教育費」と現実的な回答が増える。日常生活やローンのことが常に頭の中にあることが読みとれる。これが60歳を迎える人になると「家の改築」「別荘購入」や「海外移住」などの回答が出てくる
▼国立社会保障・人口問題研究所の調査によると、団塊の世代が退職を迎える時期が近づくにつれ、中高年のUターン率が上昇していることがわかった。農水、国土交通など関係省庁もこうした動きを受け、都市と農山漁村の交流を進めるための受け皿となる住宅整備や、農地取得のあっせんを支援していく考え
▼「普請道楽」という言葉がある。家づくりを趣味としたり、こだわった家づくりをすることだ。先のアンケートからも、改めて住宅に関心のある人が多いことに気付く。一生に一度の買い物と言われる住宅だが、ローンが終わり、資金的に見通しが立てば「新しい家を」と、定年後も住宅需要のあることがわかる
▼その背景には、「今度こそ理想の家を」という強い想いがある。最初のマイホームは、必要に応じた機能的な家を、限られた予算で、と制約ばかりが多い中、購入に踏み切った人も多い。今度こそ自分の理想とする住みたい場所に住みたい家を実現したいという気持ちを抱く人は多い。(前H・I)