コラム

2005/12/16

「ハッブル望遠鏡」(甲・TN)

2005.12.16 【ハッブル望遠鏡】

▼先頃、テニスをしている仲間が視力回復のための手術を受けた。レーザーを使った手術で、入院せず日帰りで済んでしまったとのこと。結果は良好で、手術前は0・07だった視力が、術後には2・0にまで上がった

▼人間は、遠くのものを見ようとする努力を重ね、望遠鏡を作りあげ、ついには1990年に大気圏の外へそれを打ち上げるまでに至った。NASAが打ち上げたハッブル望遠鏡である。望遠鏡自身の性能を上げることだけでなく、遮断する大気を抜けたところから観測しようとする壮大なミッションであった

▼そこから送られてくる信じられないほど綺麗な天体の姿に、恐れさえ抱いた。それまで、宇宙と言えば光がちりばめられただけの星空というイメージを払拭。その色使いが鮮やかで、星々の暮らしぶりが手に取るように見えてくる。そんな写真を地上に送ってきたのである。中には印象派の巨匠クロード・モネが描く青空を思わせる星雲さえあった。彼は鮮やかな光を捉えるという絵を描いており、宇宙から光を捉える意味ではハッブルと共通しているかもしれない

▼しかし、そのハッブル望遠鏡は今後の補修に1000億円という巨額な費用がかかることから、メンテナンスを行わず、2007年をメドに太平洋に落とすということである。こんなところにも、財政事情が見え隠れする。しかし後継の望遠鏡を2010年にも打ち上げるという計画があるとのことから、また素晴らしい天体に会えることを期待したい

▼因みに、ハッブル望遠鏡は、人間の視力の2万倍とも言われている。さて今後人類の視力はどこまで上がるのだろう。(甲・TN)

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