コラム

2006/01/06

日本版「自由の女神」(甲・SY)

2006.01.06 【日本版「自由の女神」】

▼明けましておめでとう御座います。本年もささやかな話題を本欄で提供して参りたいと思います。さて1876年、フランス政府は、アメリカ建国100周年を祝ってニューヨーク市に贈り物をした。それが有名な「自由の女神像」だった。考案者はフランス人の彫刻家フレデリック・オーギュスト・バルトルディ

▼1889年には、今度はフランス革命100周年を記念して、パリ在住のアメリカ人たちがフランス政府に「自由の女神像」を寄贈した。同年11月5日、パリのセーヌ川に浮かぶ中州・シーニュ島で除幕式が行われた。この像の原題は「世界を照らす自由の女神」。「自由」こそが異なる民族を結びつけるという理念のもと制作された

▼その「自由」の理念は、ほぼ1世紀を経た1998年に開催された「日本におけるフランス年」をきっかけにして日本にも継承された。「フランス年」を記念してパリから「自由の女神像」が海を渡って日本にやって来た。同年4月から翌年1月まで東京・港区のお台場海浜公園に「女神像」は移築された

▼「フランス年」が終わり、帰国が近づくにつれ、レインボーブリッジを背景にそびえ立つその優美な姿に、復刻像の建設を望む声が日増しに強くなった。フジテレビと臨海副都心まちづくり協議会などが中心となってパリ市に完全復刻像の制作を申請し、正式許可を受けた

▼その日本版「自由の女神像」は完成からちょうど5年が過ぎた。場所も同じお台場。東京湾と青い空を背に右手で灯を高くかかげる独特のポーズ。水上バスが白いウェーキを残してしきりに行き交う。今年も良い年でありますように。(本・SY)

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