コラム

2006/01/14

「ティーボ」の日本参入(甲・EO)

2006.01.14 【「ティーボ」の日本参入】

▼ティーボ(TIVO)が今年、日本市場に参入する。目下CATV事業と提携しての参入が有力視されている。日本のCATV加入者数は一昨年の3月末で2468万世帯と大きな市場だ。水面下で進む日本のタイムシフト視聴という状況のもとで、これが浸透する可能性は充分にある。CMスキップによる広告業界の崩壊など多方面への影響が予想される

▼ティーボは、アメリカで平成9年から開始されたテレビ番組の自動録画サービス。ユーザーは、1〜3万円のHDDレコーダーを購入し、月額12・95ドルの利用料を払えば、1万8000とも言われる全米の地上波、衛星、CATVの電子番組表から好きな番組を録画できる

▼ハードディスクに録画した番組をテレビだけではなく、ゲーム機のPSPやマックのIPodなどにもダウンロード出来る機能もある。アメリカでは既に、全家庭の2割がこのティーボを利用しているそうだ

▼これが普及するとまず、テレビ広告市場が重大な影響を受ける。アメリカでは、ユーザーの総映像コンテンツ視聴時間のうち、42%がテレビ番組のタイムシフト視聴(録画しておいたものを再生して見ること)が占め、HDDレコーダ所有者の約半数が「CM飛ばし」をしている

▼ティーボ参入がきっかけとなって、タイムシフト型視聴スタイルが定着すれば、国内で約2兆円あるテレビ広告市場はその効果を疑われ、放送局、広告代理店は大きなダメージを被る。これに対してアメリカでは、CM飛ばし対策として番組の中にCMを組み込むなどCMの新しい方向が模索されているという。時代の流れは早いものだ。(甲・EO)

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