コラム

2006/01/17

一言添える事の効用(甲C・T)

2006.01.17 【一言添える事の効用】

▼以前お客様の前で原稿を作っていた時の事。「閑静な住宅街」の「閑」がどうしても出てこない。顔を見合わせる。相手も「あれ?どうだっけ?」と思わず苦笑い

▼堰堤、管渠、補填…新聞でお馴染みの単語もいざ書けと言われると不安だ。漢字が読めても書けない。物忘れを言い訳にする中高年より書かずに打つ若い世代に拡大しているのは、やはりパソコンの普及率に比例するからに他ならない

▼字を書く機会がめっきり減った。書道が今ちょっとしたブームになっているのはその反動だろうか。ダイレクトメールでも丁寧な手書きの添え書きがしてあるだけで、目に留まる。そのダイレクトメールさえ最近は携帯のメール機能で済まされ、懸賞も携帯が主流になりつつある。手紙や葉書を貰うことも出すこともなくなった

▼家に届いていた封筒から懐かしい文字と再会する。差出人を見なくても癖のあるこの筆跡はあの人だと顔を思い出す。手紙と一緒に気配まで感じられる。手紙を出すときもそうだ。便箋を用意し「お元気ですか?」と書き始めポストに出し届く頃まで相手のことを気にかける、その時間が楽しい。スローフード・スローライフが謳われる昨今、「手紙」というコミュニケーションツールを見直してみてもいいかもしれない

▼お年玉の確認で今年の年賀状を改めてながめてみる。かわいい絵柄や子供の写真も微笑ましいが肝心の本人の姿が見えてこない。手紙もさることながら、メモやせめて業務のメールでも良い。奮起して一言近況を添えたいものだ。たった一行でもそこにヒトとなりが見えると実に楽しいし、心温まるものである。(甲C・T)

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