コラム

2006/01/20

デート先は地震展(本・HK)

2006.01.20 【デート先は地震展】

▼学生時代、知人の女性と上野の国立博物館で開催さ れていた地震展に行ったことがある。土曜日ということもあり、家族連れやカップルなどが多く、地震に対する関心の高さが伺えた

▼地震展では、何層にもわたる巨大な地層の写真、プレートの歪みなどから発生する地震のメカニズムの説明、機械や学芸員による地盤沈下などの実験、過去の地震をモチーフにした映画、3Dによる津波の体験コーナー、パソコンを使った家診断、現在用いられている耐震技術・設備の展示など、さまざまな内容が盛り込まれていた。実際に家診断をしてみたが、震度4強で倒壊の恐れがあると判定され相当落ち込んだ記憶がある

▼筆者は今月から独り暮らしを始めたが、こういう時の親は意外に冷たい。実家に親を残すことは複雑な思いだったが、仕事に専念しようと決め会社の近くに家を借りた。周りには建設中のマンションや構造計算書偽装で問題となっているマンションが建設途中のまま建っている

▼警察用語で隠語だが偽装事件のことを「にんべん」と言うらしい。人は、誰かを騙したり、見栄や虚栄心で自分を偽ったり、相手に気を使って嘘をつくこともある。元建築士や一連の企業が行った偽装は決して許せることではないし、被害者となった人達の怒りと悲しみは計りしれない。しかし誰にでも道を踏み外す可能性はあるのではないだろうか

▼「あなたも結構偽装してなかったっけ?」ある女性に言われた。「いやいや、お互い様だろ」筆者も言い返した。彼女はもうすぐ結婚する。偽装は良くないが、こうやって笑って話せる程度の事でありたいものである。(本・HK)

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