コラム

2006/01/24

「挫折」のススメ(長・EM)

2006.01.24 【「挫折」のススメ】

▼年始めの喧騒が収まるにつれ、浮ついた気持ちも凪ぎ、継続モノの目標であれば真贋が明らかになりだす頃。既につまずいたとしても、明日、来月、新年度に誕生日と、再起動する機会はそこ彼処にある。「意思の弱さを自覚できたことで良し」と慰め、相変わらず紫煙をくゆらせている

▼2才を過ぎた娘は、拾い集めた言の葉をせっせと紡ぎだした。しかし「マジデー」「キモイヨー」とうそぶいたり、「ママとケッコンする。パパはヤダ」と宣言したりするものだから、折に触れて自らの言動を悔い改める。リセットボタンはここにも

▼節目の最たるものに成人式がある。昭和60年に生まれた今年の新成人は143万人で、丙午だった昭和62年に次ぐ低い水準となった。ちなみに最も多かったのは第1次ベビーブーム世代が成人に達した昭和45年の246万人。推計によると、2015年の新成人は当時の男性人口と同じ124万人にまで落ち込むという

▼成人と呼ばれたその昔、友人に「挫折とは」と問うたことがある。「すべてが思いどおりではないが、取り立てて不自由もない。万事適当にこなせる」。臆面も無くのたまう筆者を、彼は「努力したことがないのだ」とたしなめた。一心に取り組んだことがないから、挫折感を覚えたこともない。答えがないから、問題もないということ

▼社長ですら「経験したことがない」と嘆く窮状のなか、建設業に従事する新成人。この先、買わずとも背負う幾多の事柄に際し、時に打ちひしがれることもあるだろう。でもそれは自らで責務を果たそうとした大人の自覚そのもの。挫折はそれこそが努力の賜物ですから。(長・EM)

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