コラム

2006/01/26

歯止め掛からないエイズ(長・KS)

2006.01.26 【歯止め掛からないエイズ】

▼世界エイズデーを前に昨年、UNAIDS(国連エイズ合同計画)とWHOが世界のエイズの現状を「残念ながらエイズの増加に歯止めがかからない状況にある」と発表した

▼日本の状況は、2002年から2004年までの2年間でHIV感染者数は614人から780人、新たなエイズ発症者数は308人から385人へと25%、両方合わせて922人から1165人へと26%増加。これは全世界の増加率6・5%よりかなり高くなっている

▼この数字は報告されている数字であり、潜在患者はこの数倍と推定される。日本は感染者が世界に比べ低いが、しかし世界を上回る速さで増えていることは事実である。今のところHIVを殺す薬剤は無く、一旦HIVウイルスが体内に入ったら、一生涯この病気と闘っていかなければならない

▼知人が営む食堂へ頻繁に訪れる自称遊び人の中年男性がいる。新年早々いつもの調子で来店し「俺エイズだった。医者に誰と性行為をしたかと聞かれ、不特定多数と応えた。俺は先が無いから、また好きなように遊ぶ」と明るい声で平然と話す。無論、内心はどうなのか慮ることも出来ないのだが

▼この話を聞いて唖然と声も出ない筆者だったが、もし今までのように遊ぶなら、それは殺人罪に等しい犯罪だろう。人を見たらエイズと思え−と錯覚に陥る。実に寂しく悲しい世相になってきた。しかしエイズも世界各地で遺伝子レベルの研究が進んできており、ワクチン開発の可能性に光が射してきているようだ。エイズが不治の病から脱する日も何れ来るだろう。夜明けのない夜はないように。苦境にある建設業界も同様である。(長・KS)

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