コラム

2006/02/28

建設業の社会貢献を伝える(前・HI)


▼先日、「建設業で生き残るためには、何をすべきか」をテーマとしたパネルディスカッションを聞いた。パネリストには、地元建設業者の経営者二人が加わった。二人は建設業団体の役員も務める地域建設業のリーダーでもある。建設業が置かれている経営環境、地域産業としての必要性、そして建設業で生き残るための方策を議論した

▼「公共事業が減少する中、民間に参入すれば競争相手が多く、想像も出来ない安値でないと受注できない」と、脱・公共がスムーズに進まない現状を述べた。その場では、経営者に行ったアンケートも披露され、多くの経営者がこれからも建設業を続けていきたいという本音が聞かれた

▼構造計算書偽装や東横インの問題と、業界の信頼をさらに失墜させる事件が相次いだ。しかし建設業界は日頃、豪雨による災害や除雪作業など、社会貢献に積極的に取り組んでいる。パネリストからも「地域で社会貢献をしているのに、地元住民からはあまり理解されない」と空回りする現状にいらだちを見せる

▼道路や水道といったライフラインを維持・整備する建設産業はなくてはならないもの。パネリストの一人も「建設業の必要性など、災害貢献や雇用を見るまでもなく当たり前で、そんな議論など今さら必要ない」と言い切る。今、求められているのは、その必要な産業が困っているのをどう支援するかだと訴える

▼建設産業は、社会基盤を整備する担い手としての役割だけではない。清掃ボランティアや防犯パトロール等々と社会貢献は幅広い。そうした業界の活躍を多くの人に伝えること、それは我々建設専門紙に携わる者の一つの使命でもある。(前・HI)

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