コラム

2006/02/08

「お山の大将」の集い(前・HM)


▼先日、ある大学の先生が所属している住宅関連の集まりについて活動ぶりを聞いた。「どうも駄目だね。お互いに協力しようという意識が低いので、あまり機能していないね」と言う。その集まりは、住宅関係、木材関係団体のトップクラス、さらには官庁、大学も含めた集まりで、大きな成果も期待出来るメンバーだ

▼しかし、現実は難しく「全員が『お山の大将』なんだよね。だから、自分の要求や主張はするけど、なかなか他人の意見を聞き入れない。それぞれが自分の団体や仕事のみを優先的に考えているようだ」

▼せっかくの集まりもこれでは総論賛成、各論反対の形態に似て全く意味をなさない。時間のロスである。しかし、こういったケースは複数の団体で構成される集団では割合多く見られる現象のようだ。それはなぜだろうか

▼話を聞いていると、どうも人々の中には、複数の『お山』が集まって1つの集団を作ろうとした時、大きな1つの山を作る、という考え方があるようだ。それも悪くはないのかもしれないが、複数の団体が集まってさらに大きなピラミッド構造を形成していくよりも、それぞれの団体の個性や特徴をしっかりと残しながら、1つひとつの山同士のつながりを強化したほうが良い。『ネットワークで結ばれた沢山の小さな山』のような集団を構築する事が出来れば、より大きな成果が期待できるのではないだろうか

▼建設産業、住宅産業、いずれの業界も今が大きな過渡期とも言われている。この厳しい時期を乗り越えていくためには、単に力を合わせるだけではなく、成果が残せる手の取り合い方を考えてみたい。(前・HM)

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