コラム

2006/02/09

自然に学んだ物づくり(甲・EO)


▼人間の起源は6500万年前なのに対し、昆虫など生物の起源は38億年前に遡る。これらの生物は、長年の進化の中で特異な能力を身につけ生き残ってきた。人間は、こうした特性を活かし様々なものに応用してきたが、最近はこうした商品開発が益々盛んになっている

▼特に身近でユニークなのは「痛くない注射針」。そんな針なんてあるわけないと思う。しかし、蚊に刺されたとき、気がつく人は少ない。蚊が人を刺して血を吸うときの口針は、ごく細いから人は痛みを感じない。それなら、それと同じぐらい細くてなめらかな注射針ができれば痛みを感じないはず

▼考案者は東京の岡野工業という従業員6人の零細企業。医療用具の大手・テルモと共同で世界中に特許を出しており年間10億本の生産を予定している

▼また、液晶やプラズマなど平面ディスプレーは、ホタルの発光原理を取り入れた有機EL(エレクトロルミネッセンス)に移行しつつある。自ら発光するのでバックライトが不要のため消費電力も少なく、広視野、高コントラスト、動画に不可欠な高速応答速度などに優れている。次世代ディスプレーとして各社が開発や量産化を急いでいる

▼ところで、自然に学ぶことについては地元建設業者も負けてはいない。地域には地域なりの気象や地盤などがあり、これを無視すると事故や災害が起きかねない。地元業者は、長年に渡る経験で地域の自然環境を知り尽くしており日頃の施工に活かされているが、残念にもこうしたことを知る国民は少ない。地域建設業は地道だが、多くの地域情報を継承していくためにも、地元建設業者の存在価値は大きい。(甲・EO)

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