コラム

2006/03/16

終わりなき挑戦(水・SM)


▼先月閉幕したトリノオリンピック。日本勢不振の中、女子フィギュアスケート荒川静香選手が完璧な演技で日本唯一の金メダルを獲得。それまでの暗い雰囲気を払拭する快挙に日本中が沸き立った。五輪の醍醐味はメダルだけではない、違った感動や発見もある

▼女子カーリングチームの予想を超える健闘は、カーリング競技の面白さを教えてくれた。的を狙いストーンを投じる時の緊張感と掃き掃除のような動き。日本ではなじみの薄い競技だったが、強豪カナダやイギリスを破る大金星を上げ、今大会で確実に知名度を上げた。次のバンクーバーでの活躍にも期待される

▼34歳、4度目の五輪出場となったスピードスケート岡崎朋美選手は、3位とわずか100分の5秒差で惜しくも4位。メダルはならなかったが、ベテランの集中力と技術が光った。岡崎選手といえば、98年長野五輪で銅メダルを獲得。その2年後、椎間板ヘルニアでスケート選手としては致命的とも言える腰の手術を受け、復活後も成績は伸び悩んだ

▼しかし、彼女の挑戦はそこで終わらなかった。故障の窮地を乗り越え、2002年のソルトレイクシティー五輪で日本記録を更新して6位入賞。2005年1月にも通算7度目となる日本記録更新を果たした。そして今回、34歳で臨んだ集大成の五輪。選手の限界が年齢や故障で決まるわけではないことを身を持って示した

▼何かに挑戦し、自分を高めたいー。人は常にそんな気持ちは持ちつつも、意志の弱さからどうしても甘くなりがちである。世界一とはいかないが、岡崎選手に倣い、常に挑戦し成長し続ける人生を送りたいものである。(水・SM)

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