コラム

2006/03/23

春の気配とアレルギーと(前・NK)


▼前橋支局の「花粉センサー」T君がくしゃみ、鼻水、涙目などの症状で苦悶している。例年、彼を皮切りにして、支局内はもとより取材先や街にもマスク姿の人達で溢れている

▼10年前と比較して、日本のアレルギー人口は、5人に1人から3人に1人へと急増しているといわれる。その影響もあり、諸外国と比較して日本人のマスクをする頻度や割合は相当高いらしい。外国人には、春のマスクだらけの光景は異様に見えるようだ

▼肉体にとって異物でないものに抗体を作り、過敏に働くのがアレルギーである。異物である抗原に対し作られる防御物質が抗体。この量が許容範囲を超え一定以上になると、異物(抗原)と結びつき、今までと違った反応が起きて、アレルギー症状が初めて表面化する

▼史上最悪の花粉飛散量だった昨春を乗り切った非・花粉症の方も多いだろうがご注意を。抗体が許容量満杯寸前の予備軍も少なくないそうだ。この春を境に再びという可能性は十分ある。もちろん、抗体が生産されにくい、あるいは抗体をためる「器」が大きい体質ならば、発症しにくいといえる

▼本来、抗体は侵入してくる敵から体を守る大切な機能がある。花粉もかつては人間にとって異物ではなかった。しかし何かの拍子にバランスが崩れてアレルギーが起これば害を及ぼす現象が表面化する。公共工事も建設業も、いつしか国民から拒絶される存在になってしまった。原因はなんであれ花粉症同様「公共工事アレルギー」にも特効薬はないようだ。心地よい春を迎えるため、とにかく地道に体質改善、企業改善していくしかないのかもしれない。(前・NK)

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