コラム

2006/03/24

受験勉強の効用(水・KK)


▼お彼岸も過ぎすっかり暖かくなった。永い受験勉強の苦労が実り、志望校での新しい学生生活のスタートを切る若人を祝福するとともに、健闘及ばず涙を呑んだ彼らにも捲土重来を期待したい

▼一昨年12月に公表された国際学力調査結果で、日本は科学的応用力はフィンランドに次いで2位だったものの、問題解決力4位、数学的応用力6位、読解力に至っては14位と低迷。いずれも韓国や香港に水をあけられている。日本の子どもの学力低下に文部科学省も危機感を強める

▼「受験勉強は社会に出てから役に立つのか?」−旧知のMさんと話した。20年以上進学塾の講師を務める受験教育のベテランである。「受験は人を育てる」が自論だ

▼難関校の試験問題は近年、記述式が多くなっている。社会も理科も従来型の雑多な知識の詰め込みでは対応できなくなっているそうだ。答えももちろんだが解答に至る道筋への部分点が合否を分けるという。「必要なとき必要なことができる」「出題者の意図をくみ取りきちんとコミュニケーションできる」−なるほど社会人として使える人材育成に受験勉強は効果があるのかも

▼「17×18=」インドの子どもはこんな掛け算を九九のように瞬時に答えるという。インドはコンピュータソフトの開発では世界一である。またCD−ROMは数学の微分、積分の定理が活かされているそうだ。大学の研究室と提携して新技術の開発を進める企業も増えている。百数十年前、福沢諭吉は学問を通じて日本国民一人ひとりの独立自尊を唱えた。なるほど、勉強そして受験は人を育て、国を富ませるのだろう。決して精神論ではなく。(水・KK)

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