コラム

2006/04/04

母への素直な感謝(前・AN)

母への素直な感謝

▼従兄弟の結婚式に出席するため母と2人、車で上京した。あいにくの雨模様であったが、式は友人の余興などで大いに盛り上がり、とても素晴らしい結婚式となった

▼その行き帰りの道中は、母と2人っきりという奇妙な空間のもと、安全運転を心掛けた。今更、これといって話す事がないと思われたが、話題には事欠かさず矢継ぎ早の質問攻勢に遭い、多少の疲労感を覚えながらも久々に母とじっくり話をした

▼日頃から母手製の弁当を持って出社しているが、会社の弁当組は皆、良妻の作る弁当。「私が作るのではなく、早く結婚して奥さんに作ってもらいなさい」と小言にも似た母の言葉が胸に響く。それが我が家の日課だ

▼入社して間もなく、父が他界。59歳という若さでの旅立ちであったが、それなりの人生を歩んだと認識している。2人いる弟たちは、すでに独立した生活を送っており、父の死をきっかけに母との2人っきりの生活が始まった。先述した車中でのマシンガントークは、父が去り、日頃の話し相手がいなくなった反動だと考える。私も会話をしないわけではないのだが、ゆっくり話す機会がなかなか取れない。平均的な姿かもしれないが

▼そんな筆者も最近では度々母を外食へ連れ出す。人生の伴侶に先立たれ寂しい毎日に少しでも楽しみをとの配慮からであるが、結構楽しみにしてくれているようだ。ちょっとした自己満足の世界に浸りつつある今日この頃ではあるが、自己満足ということではなく、本心から優しく接してあげたいと思う。恥ずかしく面と向かって言えない日頃の感謝を込めた「いつもありがとう」を母へ捧げたい。(前・AN)

厳選されたコンパクトな記事で
ちょっとリッチな情報収集

建設メールはこちら