コラム

2006/04/11

咲き誇る桜を見上げて(前・HM)

咲き誇る桜を見上げて

▼北関東のことだが今年も花見の季節がやってきた。普段は花を見て何かを思う、などという風流とは縁遠い筆者だが、さすがにこの時期の桜の花は無視できない。それは花見に乗じて一杯、という文字通りの花より団子もあるが、やはり満開の桜が続くあの景色には人を引きつける魅力がある

▼筆者の家の近くに古い神社があり、この境内にも見事な桜が植えられている。今はまだ5分咲きといったところだが、近い将来、桜のトンネルの雰囲気は感じさせてくれる。周辺住民は密かに楽しみにしている

▼桜の中で最もポピュラーなものはソメイヨシノだろう。実はこのソメイヨシノ、全てクローンである。ソメイヨシノは、オオシマザクラとエドヒガンを交配させて作ったもの。交配で誕生したソメイヨシノは、種を作る事が出来ず、全て挿し木や接ぎ木で植えられていった。そういえばサクランボを付けているのを見かけない

▼遺伝情報が同じため、クローンといえるソメイヨシノは、そのために成長は早く寿命は60〜70年程度といわれている。しかし、クローンであるが故のメリットもある。同じ気象条件に置かれれば、全て同じ時期に花を咲かせる。一斉に満開になるあの見事さは、クローンならではの特徴なのだ



▼家を出る。せせらぎを聞きながら小川を横切り、鳥のさえずりを聞きながら丘を登る。その先にあの神社がある。今度の休日にはビール片手に行ってみよう。桜もちょうど見頃だろう。この景色、この生活を次の世代に残していくことが今を生きる我々の責任なのだと思う。桜を見上げながら我々に何が出来るのかをゆっくりと考えてみたい。(前・HM)

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