コラム

2006/04/15

逆境に左右されない企業力(長・YK)

逆境に左右されない企業力

▼平野部では桜も散り、目に若葉が清々しい季節になった。通学路にはピカピカの黄色い帽子と黄色のランドセルカバーの新入生がチョコマカとせわしなく動き回っている。予想外の動きをするので脇を通る時は十分に間隔を空けなければ危険だ。いきなり車にぶつかってくることもある

▼異動もようやく落ち着き、心機一転、仕事に打ち込んでいる人も多かろう。この春に人事異動とともに組織変更が行われた自治体も少なくない。長野県も大きく組織が再編された自治体の一つだ

▼長野県の組織再編は昨年9月に議会に提出したが承認されず、知事権限による規則改正で対応したもの。議会だけでなく、県職員労働組合(県職労)からも批判的な声明が出された。もちろん田中知事のリーダーシップに賛辞を送る声もある

▼これまで長野県の職員労働組合は知事が行ってきた頻繁な人事異動や賃金カットなども受け入れ、両者は比較的良好な関係と思われてきた。しかし昨年末に組合が実施した組合員意識調査によると「県職員との信頼関係評価88・1%」。5年前は「支持率47・3%」が現在「3・6%」と激減している。末期的数字だ

▼調査票の設問に誘導的な匂いも若干感じられるし、知事選を控えたこの時期にどうして県職労が田中県政の評価を行い、その結果を発表するのか。そこに政治的な意図も見え隠れするので結果を鵜呑みにはできない

▼長野県知事の任期は8月31日まで。ある県では選挙によって勝ち組と負け組に分かれ、業者の完工高が激しく上下すると聞く。今一番大切なのは、選挙結果に左右されない、地域に根ざした地道な企業力のような気がする。(長・YK)

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