コラム

2006/04/26

建設業の雇用について(本・UT)

建設業の雇用について

▼(財)建設経済研究所が3月にまとめた、ヨーロッパについての調査報告書が興味深い。ヨーロッパでも建設産業の担い手を確保することは重要な課題となっていて、高齢者・若年者を問わず、働きやすく定着しやすい、魅力ある労働環境の整備が求められているという

▼建設業のイメージはヨーロッパの若い世代にとっても、決して良いとは言えないらしい。一方の高齢者は、体力的な問題などにより長続きしにくいという問題を抱えている。建設業が抱える雇用政策の悩みは、万国共通のようだ

▼総務省のまとめている「労働力調査」で、日本の建設業就業者数を10年スパンで見ると、昭和60年が530万人で、10年後の平成7年が663万人。直近の平成17年は568万人となっている。同年の建設投資額はそれぞれ50兆円、79兆円、51・3兆円となっており、就業者数と投資額は、大きく見ると比例しているようだ

▼年齢階級別で見ると平成7年と17年では、15〜29歳の若年層が140万人から88万人に低下。55歳以上の高年齢層のほうは逆に増加傾向にあり、直近の17年では建設業就業者数の約3割に。ベテランが持っている熟練技術の世代継承が、にわかにクローズアップされている

▼建設業のイメージアップ。言うは易く行うは難しで、一朝一夕にはいかない。土木の魅力や建築の素晴らしさを若い世代に感じてもらうには、「現場」の圧倒的な臨場感が一番ではないだろうか。(社)日本土木工業協会による市民現場見学会は昨年一年間で100万人参加の目標を達成した。その後も継続している。記録を更新して、若い世代に魅力を伝え続けてほしい。(本・UT)

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