コラム

2006/05/24

ThinkPADのこと(甲・SY)


▼異動で前任者が長年使用していたノートパソコンIBMThinkPADを業務用として引き継いだ。愛用していたことが分かるもので、キーボードのよく使用する部分が何ヵ所も磨り減っている。IBMは使用経験がない。当初は文字通り手探り状態だった

▼パソコンも生き物だと実感したのはメール設定のときだった。何度もマニュアルに沿って試してみたが、うまくいかない。そうしているうちに、このパソコンは新しい担当者に対して心を閉じているんだな、と思い始めた。「ろくなパソコンの腕もなくて、IBMを操作するなんて10年早い」と目の前のThinkPADがつぶやいているように見えた

▼信じられないことだが、メール設定にまる1日を費やした。自分を拒否していたものと思っていたのは実は設定の工程で「認証」の部分を省略しているためだった。「認証」をクリックしたことで、メールは開通した。他の人であれば、難なく通過したであろう箇所でつまづいていたのだ

▼このメール設定の苦労でThinkPADとのコミュニケーションが少しできたように感じた。あたかも「アナログどっぷりの人間のようだが、挑戦する気だけはあるようだ。まあ仕方がないから仕事に付き合ってやるか」とThinkPADは苦笑しているようだ

▼あれから5ヵ月。ThinkPADはやはりThinkPADだった。使い慣れると、自分が考えるより速くthinkしているようだった。キーを打つ手ももどかしくThinkPADはキーボード上を走る。前任者にははるかに及ばないが、その良さが分かり始めた。ThinkPAD万歳。(甲・SY)

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