コラム

2006/05/30

情報管理に配慮を(水・HN)


▼ファイル共有ソフトWinny(ウィニー)による情報の流出が社会的問題になった。知られたくないデータの入ったパソコンでウィニーを使用し、コンピューターウイルスに感染したことが原因

▼ウィニーの話題は2年ほど前から報道されはじめ、官公庁や民間企業、果ては新聞社まで情報が流出し、その連鎖が続いている。電子掲示板サイト「2ちゃんねる」のなかの議論から生まれた無料ソフトウェアで、これがインストールされたパソコン同士はインターネットを通じてファイルを共有できる。著作権に絡む有料ソフトウェアや音楽データ、わいせつ画像、動画など、ありとあらゆるデータが横行しており、利用者に歯止めがかからない

▼もともと自ら指定したファイルしか共有できない仕組みだったが、ウイルスの感染で、パソコン内のファイルが勝手に共有されてしまい、個人情報が流出する事態を巻き起こしている。さらにウィニーは、利用者が対象ファイルを自分のパソコンにダウンロードしてしまうと、次はそのパソコンがホスト的役割を担い、流出した情報を消せないという欠陥を持ち合わせている

▼最近では、電力子会社で、発電所の建設や保守を請け負う工事業者から、電力会社の原発情報が流出。同社では再発防止策の対応に追われた。官公庁からの流出状況を見ても、ウィニーを通じて電子入札の情報が流出しないとも限らない

▼抜本的解決策は「ネットにつながない」「ウィニーを使用しない」ことだ。情報の管理に対する危機意識、さらにコンピューターに対する絶対依存も配慮しなければならない。人間が操作するのだから。(水・HN)

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