コラム

2006/06/01

穏やかさと柔らかさ(新・KY)


▼道路交通法の改正により今月から駐車違反の取り締まり方法が大きく変わった。違反車のタイヤ位置にチョークで目印という見慣れた光景はなくなり、駐車禁止区域に駐車している車があれば、監視員が専用端末に内蔵されたデジカメで撮影。携帯端末にナンバーや時間を入力し、ステッカーが貼られた時点で、直ちに駐車違反となる。このため、従来の取り締まりと比べ違反とみなされるまでの所要時間が大幅に短い

▼今回の改正は、増え続ける悪質な駐車違反の取り締まり強化を主な目的としている。配送トラックの荷おろしなど業務による駐車なども例外ではなく、駐車時間の長短に関係なく、全国一律に適用される

▼悪質な駐車には当然「規制」の強化は必要だ。ただ、一方で日本の道路事情として市街地の駐車場の数が足りないなどの課題は残ったままだ

▼ある新聞で、富山県小矢部市のJR北陸線石動(いするぎ)駅前商店街前道路の駐車禁止規制緩和の事例を紹介していた。商店街の中心約800mにわたる道路は昨年まで全面駐車禁止。交通量が少ない道路の状況や、商店街の意見などを参考に、県警が県公安委員会に全面駐車禁止の規制緩和を申請。これが認められ、今では片側1車線の道路脇を駐車スペースとして利用できるようになったそうだ

▼道路の改良や歩道整備状況、渋滞状況などは地域によって様々。改正により、駐車違反取締まり業務の一部民間委託も始まる。民間ゆえに、ケースによる柔軟な運用の判断が困難となる可能性も危惧される。規制の緩和を進めるにあたっては「柔らかさ」のある運用が可能なシステムづくりも必要ではないか。(新・KY)

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