コラム

2006/06/08

たまには夜空を眺めて(甲・TH)


▼長かったスギ花粉の舞う季節が終わり、思い切り呼吸ができるようになってきた。筆者の住まいは小高い丘の中腹。標高が高いため、山梨・甲府盆地の夜景が美しい。空を見上げると、星が限りなく瞬いて見える

▼この季節の夜空は、しし座のデネボラ、うしかい座のアルクトゥールス、おとめ座のスピカを結んだ春の大三角や大熊(北斗七星)が顔を揃える。春の星座は、冬の星座のように明るい星が少なく、あまりはっきりしないものが多い。しかし、今年は彗星が到来する。5月12日には、シュヴァスマン・ヴァハマン第3彗星が地球に最接近。肉眼でも見えるかもしれないと期待されていたが、そのことをすっかり忘れ見逃してしまった

▼彗星といえば、最も記憶に残っているのは1986年3月に地球に大接近したハレー彗星。76年周期で太陽をまわる。当時は、もう二度と見ることが出来なくなると、日本中の話題に。初めて肉眼で見たのもこの彗星で、地元の中学校で観望会をやったりもした。しかし、期待していたよりは、小さく、あまりぱっとしない姿に少しがっかりしたことを思い出す

▼彗星は、突然のように現れて夜空に長い尾をたなびかせる。このため、古来から忌まわしきものと信じられてきた。大彗星の出現は天変地異の前触れなどと言われ、彗星の正体が分からなかった時代の人々にとっては、心を惑わす不思議なものと映っただろう

▼次回ハレー彗星が見られるのは2061年の夏頃。筆者は90歳近くになる。心身を鍛え、規則正しい生活をしていれば再び観望できるチャンスがくるかもしれない。それまでには精度の高い望遠鏡をそろえたい。(甲・TH)

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