コラム

2006/06/14

アネハトハナンデスカ(本・HK)


▼会社から徒歩1分、駅から30秒のマンションに住み始めて約5箇月が経った。時間帯が合わないのか、住んでいないのか、はたまた嫌われているのか分からないが、マンションの住人とはほとんど面識がない

▼仕事が終わり、エレベーターに乗ろうとしたところ、ある外国人と一緒になった。身長が高く、体も大きいので最初は怖かったが、話すと気さくで私が記者だと話すと姉歯の問題など色々と質問をしてきた。聞いたところ学生のようで、1箇月ほど日本を旅行するらしい

▼先日、欠陥住宅を正す会が主催するシンポジウムに参加した。天気は悪かったが参加者は多く、欠陥住宅に対する関心の高さが伺えた。シンポジウムでは、弁護士・建築士による欠陥住宅の説明、被害者の体験談などが行われ、被害者の方の中には、悔しさを滲ませながら語る場面も見られた

▼自動車整備会社を経営する60代の男性は、平成10年に4200万円で事務所兼工場を発注。引渡しを受けてまもない11年6月に欠陥を発見したという。「現在も残った代金などについて裁判を続けている。裁判を考えている被害者の方は、早期解決の為にカウンセリングをして、しっかりと準備をした方がいい。もう6年以上争っているが精神的にも参ってしまった。最近では眠れないことも多く、睡眠薬も効かなくなっている」と語った

▼「アネハトハダレデスカ?ナンナンデスカ?」あの外国人に質問された事をふと思い出した。すべての設計者に建築家としての倫理が問われていると思う。一記者として自分は何ができるのか、シンポジウムを通して大いに考えさせられた。(本・HK)

厳選されたコンパクトな記事で
ちょっとリッチな情報収集

建設メールはこちら