コラム

2006/06/21

「土木」と「建築」(本・UT)


▼(社)建設コンサルタンツ協会と(社)日本建築家協会が5月、美しい国づくりの実現に向けた行動計画を発表した。これから両協会は、セミナーやシンポジウムの開催、モデル地区での具体的整備手法提案といった活動へ、協働して取り組んでいくことになった

▼「土木」と「建築」の区分は欧米にはあまり見られず、日本特有の見方だという。そもそも日本の場合は学校の時点で学科が分かれており、違う学問としてとらえられている。また行政の施策面においても、まったく別物として扱っているケースが多い

▼入社当時の筆者を振り返ると、恥ずかしながら「土木」と「建築」の区分について、なかなかイメージが沸かなかった。先輩から教わった「地面に触れていれば土木、触れていなければ建築」という初歩的な分け方すら、あまりピンとこなかった。それが月日を重ねていくうち、完全に違う分野として認識するようになった。入札案件を繰り返し見たり、行政側の話を聞いたりしているうちに、自然とそうなっていた

▼建コン協と建築家協会から、「土木と建築の多くの部分で、価値観が共有できることがわかった」「もっともっとコラボレーションしていきたい」「そもそもなぜ土木と建築が分かれたのだろう」といった言葉を聞いた。新しい視点を教えていただいた気分になった

▼一度付いた固定観念を振り払って物事を見ることはなかなか難しい。しかし「土木」と「建築」について、これからは協働という視点も加えて見ていきたいと思う。二つの協会の今後の取り組みが、ゆくゆくは行政側の認識変化にもつながっていくことを楽しみに待ちたい。(本・UT)

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