コラム

2006/07/21

中田英寿選手の引退(松・HK)


▼サッカーW杯はイタリアの優勝で幕を閉じた。1次リーグ敗退の日本は多くのサポーターの期待を裏切る結果となった。新たにオシム代表監督のもと、4年後を見据え再スタートとなるわけだが、そのメンバーに中田英寿の名前が入ることはない

▼会見ではなくHP上で、そして29歳の若さでの引退は「彼らしい」とか「潔い」という形容で容認する声が多い。引き際は様々で、あの名文句が語り継がれる長島茂雄。王貞治の場合は、新宿駅で撒かれた号外に事の重大さを認識した。今でも140kmにこだわる村田兆治は二桁勝利を挙げながらマウンドを降りた。柔道の山下泰裕は負けることなく戦いの場を去った。そして、記憶に新しい新庄剛志

▼身体の調子や精神面などは本人にしか判らないし、自身の人生、続ける辞めるの選択は当然本人に委ねられるべきもの。しかし人としての営みを続けていくうえで、家族であるとか友人であるとか支えてくれる人達の気持ちや、スポーツ界なら応援してくれるファンの声というものが存在する。彼らが何を目的に、何のために日々汗を流してきたのかが最後の判断となるであろう

▼中田の引退に絡んでモチベーションについてTV番組で特集していた。これを見て、ロマン・ロランの言葉「神が存在するかしないかはどうでもよい。(中略)愛するから愛するのである。たいした理由はない」を思い出した

▼ファンのために、家族のために、そして自分自身のために、と様々なモチベーションがアスリートにも会社員にもあるであろう。特別、耳障りの良い理由など必要なく、素直に人生に打ち込みたいものだ。(松・HK)

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