コラム

2006/08/04

動物園のサマータイム(水・KM)


▼4月の第1日曜日の夜に時計の針を1時間戻し、10月最終日曜日の夜に時計の針を1時間進める。このようなサマータイムが、欧米では当たり前となっている。1900年代初頭から実施されてきた歴史的な経緯に加え、あくせくしない国民性とあいまって、春から秋にかけて太陽を楽しむ生活が根付いているようだ

▼日本でも戦後1948年5月から4年間続いたが、反対の声が多く廃止された。2004年から、北海道が30日程度のサマータイムを導入し始め、今年度は夏休み期間を含む52日間に期間を延長するなど、着実に成果を上げているようだ。しかしこの制度が日本全土に浸透することは、現状では難しいように感じる

▼唐突だが夏休み期間中、多くの動物園が「ナイトサファリ」や「夜の動物園」など夜のイベントを実施している。開園時間を2時間程度延ばすことによって、夜行性の動物などのリアルな生態系を見ることが出来ると人気のあるイベントになっている

▼しかし、動物園の動物たちはいつも人に見られているという精神的ストレス、狭い生活のスペースによる運動不足によって、野性では考えられない「うつ病」や「アトピー性皮膚炎」など様々な病気にかかってしまう事が近年問題になっている

▼数日間とはいえ、1日に2時間見られている時間が増えるだけで、動物にとっては大きな負担になってしまうのではないだろうか。動物への夏期休暇の導入は難しいかもしれないが、せめて夜のイベント用に、開園時間を2時間遅らせるなどのサマータイムを導入してあげてもいいのではないか。金網越しにクジャクを見ながら、そんな事を考えた。(水・KM)

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