コラム

2006/08/23

日本の夏を楽しむ(水・NI)


▼季節は夏だというのに実感がない。梅雨明けが遅れたせいだ。夏の好きな人にとっては例年より10日余り遅かったのだからやむを得ない感覚かも知れない

▼各地で花火大会や夏祭りが始まり、筆者が住むまちでも花火大会や夏祭りが開かれている。生ぬるい風が吹き抜ける中、威勢の良い音で舞い上がっていく花火の数々。煙が飛ばされる分だけ、風は花火大会に好条件と言うものの、流石に季節感に欠ける。そんな中、眼で季節感を味わわせてくれるのが、浴衣姿の人々だ。若い女性ばかりではなく、最近では男性の浴衣姿も珍しくない

▼この数年、浴衣ブームが続いていることもあり、その行事に合わせ、浴衣を新調する女性も多いという。花柄や流水、雲取り模様など昔ながらの浴衣柄から、大胆な原色に鮮やかな牡丹や金魚柄など、色とりどりの和風美人を見ることができる。そもそも浴衣は江戸時代に遊び着として広まったもの。それだけに、現代風のデザインや着こなしが流行するのも当然だろう。浴衣そのものがもつ伝統性と気軽さのバランスが、現代社会にマッチしているのかも知れない

▼浴衣に限らず、今は和装小物があちこちで流行している。女性の間では、アクセサリーにかんざしを使ったり、男女を問わず可愛らしい草履風のサンダルやミュールなど今や定番アイテムだ。親指から小指までをストラップが覆うのではなく、鼻緒のように親指と人差し指の間に刺さる感じ

▼Tシャツに短パンも良いけれど、浴衣や簡単な和小物で、日本の夏を楽むのも味わい深きもので、風情を感じる。風物的になった日本文化の変わり様に一抹の寂しさも感じる。(水・NI)

厳選されたコンパクトな記事で
ちょっとリッチな情報収集

建設メールはこちら