コラム

2006/08/24

反アンチエイジング(甲・CT)


▼昭和の親父と言って思い出すのは向田邦子の代表作「寺内貫太郎一家」。短気で頑固、でも人情味溢れ家族の誰よりも涙もろい下町の親父さん。時代は変わり平成のパパは優しい田村正和。奥さんの仕事を応援し、自分は会社を辞め子育てに専念。主夫の生き方を選んだことに後悔はない。非難する人達には「そんなこと言って誰がハッピーになるの」と

▼中年男性をターゲットに絞ったファッション雑誌が話題だ。美容業界でも男性向けの商品やサービスを増やしている。今年は男性水着も好調な売れ行きを示しているらしい。ピッチリしたタイトフィットのものが流行なのだとか。こちらの購入者層も中高年の割合が伸びている。最近の「オジさま」達は本当におしゃれになった

▼夏の風物詩「高校野球」だが今年、東京都の予選大会で注目を浴びた学校があった。エレベーター事故で亡くなった少年は甲子園を目指す野球少年だった。彼のバットを握って試合に臨んだチームメート。涙の理由は試合に負けただけではない

▼老化にあらがう意味の「アンチエイジング」。若く見られたいと躍起になっているのは女性だけではないらしい。しかしその前に問いたい人達がいる。防げるはずの大きな事故が続いた。尊い命もたくさん失われた。上等なスーツ、鞄、靴等々に身を囲い表面的な「格好いいオヤジ」よりも「責任の取れる大人」になることが先決なのでは

▼昭和の親父も、平成のパパも肝心なのは中身である。格好だけの「ちょいワルオヤジ」も結構だが、引き締めるのはたるんだお腹よりも、まずは緩んだ気持ちの方が先ではないだろうか。(甲・CT)

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