コラム

2006/09/04

見せるべきかむ姿(水・KM)


▼「子供にとって食事は身体の健康だけでなく、心の成長にも深く係わっています。家族一緒に食

事をすることによって、家族のふれあい、食事マナーなど社会性を深める事にもつながります」朝食

をひとりで食べると答えた人の割合や、小学生の朝食摂取率などが公表されるたびに、このような言

葉が繰り返される

 

▼しかしこの言葉を聞いたからと言って、家族そろって食事をしようと行動に移す人はそう多くな

い。時間が不規則、家族がそろう時間がないなど様々な理由がある。しかし、この「家族で一緒に食

事をしない」事が、子供のかむ力低下の一役を担っているようなのである

 

▼「何これ、固い」とたこ焼きのタコを吐き出す。せんべいは固いから手を出さない。たこ焼きは

タコの大きさで決まる、せんべいは固いからせんべい、と思っている筆者には想像できない。現代の

日本社会にはそのような「かめない、飲み込めない、食べられない」子供が増えている

 

▼戦前までの日本人は食事一口あたり30回近くかんでいた。現代の小学生平均は10・5回。一

食あたり戦前に比べ、かむ回数は1000回も少ない計算になる。かみ方が分からない子供も。ある

歯科医師は治療で来院した子供に一から「前歯では一口サイズに切る。奥歯では上下左右にすりつぶ

して」と教えるらしい

 

▼データをそろえてかむ事の重要性を説いても、きっと子供には伝わらないだろう。何よりも一緒

に食事をし、良くかみ、おいしそうに食事をしている姿を見せることが、一番の近道なのではないか

。子供は、親や身近な大人を真似する事によって、様々な動作を身につけていくのだから。(水・K

M)

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