コラム

2006/09/12

格差は広がるのか(水・MK)


▼茨城県では最近、郊外に大型店の開店が相次ぎ、つくばエクスプレス沿線ではマンションや企業立地が進み、つくば市では地価の上昇地点が増えた。一方で、人口の減少や産業の衰退などにより、厳しい現実を抱えている地域もある。地域や業種間の格差を懸念する声もよく聞かれる

▼茨城県が、建設業や小売業、タクシー運転手など経済の第一線で働く300人に聞いた「景気ウオッチャー調査」(今年6月)では、景気についての自由な意見を聞いているが、格差の拡大、二極化に関する声が多い

▼例えば「売れ行きが良いのは高額商品か低額商品」(鹿行地区、小売業)、「スーパーマーケットでは、価格を重視する客と品質を重視する客に二極化している」(県西地区、商店)また「最近、取引先がM&Aで買収されてしまった」(県央地区、出版業)なども声も

▼こんな見方もあった。「開店や閉店をするコンビニエンスストアをよく目にする。業態が同じで差別化ができないこと、誰でも出店がしやすいことが原因と思われる。生き残りには、他社に出来ないことをすることが基本」(県西地区、石材業)なども

▼競争の激化や格差の拡大に対応するには、どうすれば良いのか。「スタッフや社員の確保、スキルの高い人材の確保と育成が最大の課題」(鹿行地区、職業紹介業)、「細かい所まで気を配り、荷主に対して安全で確実な対応が必要」(鹿行地区、輸送業)。「売れる商品が高品質なものに移行しているように感じる。品質を高めるといった付加価値の加え方によって、景気も良くなるのでは」(県央地区、商業)。試行錯誤はいつの時代も必然だ。(水・MK)

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