コラム

2006/09/20

しあわせ銀行があれば(本・UT)


▼積水化学のテレビCMから生まれた絵本、『しあわせ銀行』(叢文社刊)が8月末より全国の書店で発売されている。「 あのー、しあわせを貯金したいのですが。できますよね、しあわせの貯金」というCMでの印象的な台詞が耳に残っている方も多いのでは。絵本の著者は執筆時小学6年生の柳生梨帆(やぎゅう・りほ)さん

▼このCMを見た時、梨帆さんは「本当にしあわせを預ける銀行があったらいいな」と思い、手作りの絵本を作った。その絵本を最初に読んだ養護教諭の佐々木先生は感動し、もっと多くの人に読んでほしいと考えた。佐々木先生の知人や友人も協力して出版社に持ち込んだがうまくいかず、一度は断念。しかし、梨帆さんが積水化学の社長へ手紙を書いたことから話が進み、出版の運びとなった

▼しあわせ銀行に預けることができるのは大切なことや大切なもの。絵本の中ではいろいろな人が、「 大切にしているうさぎのぬいぐるみ」や「 元気 」「 改心する気持ち 」などを預けにくる

▼「 元気 」を預けた少年は、大人になるにつれて、悩んだり困ったりすることが増えていた。なのに元気は減っていく。「しあわせ銀行」に行き、むかし預けた「 元気 」を受け取った途端、少年に笑顔が戻る

▼体調や成績など、調子が良い時は気にかけない場合が多い。本当はとても大事なものなのに、それが当然のことのように思ってしまう。崩れ始めた時に「 あの時にこうしておけば 」と悔やむことになる。もしも自分の中にしあわせ銀行を意識できれば、きっと違ってくるのだろう。作者の梨帆さんは、現在中学2年生。将来は小説家になりたいという夢がある。(本・UT)

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