コラム

2006/09/22

ならぬことはならぬもの(水・KK)


▼また耳を疑うニュースが飛び込んで来た。2005年度に全国の公立小学校の児童の教師への暴力件数が前年度の38%増464件にものぼったとの報道。数字云々よりも小学生がそんなことをすること自体絶望的な思いだ

▼「今なら何をしても捕まらない」 とでも思っているのだろうか。「教育委員会に言ってクビにしてやる」とすごむ児童もいるという。子どもの学力低下が叫ばれて久しいが、10歳かそこらでの傍若無人な振る舞い。この先の日本はとことんダメになってしまうのだろうか

▼会津藩の藩校・日新館に「什(じゅう)の掟」がある。一、年長者の言うことに背いてはなりませぬ。二、年長者にはお辞儀をしなければなりませぬ。三、虚言を言うことはなりませぬ。四、卑怯な振る舞いをしてはなりませぬ。五、弱い者をいじめてはなりませぬ。六、戸外で物を食べてはなりませぬ。七、戸外で婦人と言葉を交えてはなりませぬ。そして最後に「ならぬことはならぬものです」と結ばれている

▼戦後日本は驚異的な復興を遂げたが反面失ったものも多いのでは。経済至上主義、利益第一主義の世相の中で、法に触れなければ何をしてもいいという風潮が広がった。よく「人に迷惑をかけなければ何をしても自由」 というが果たしてそうだろうか

▼今こそ理論よりも道徳、倫理が尊重されるべきだ。自由と身勝手を混同してはいけない。年長者に対する傲慢不遜な態度、だらしのない服装などは厳に慎むべだ。今日の社会の荒廃は本来あるべき道徳心の欠如からくるのではなかろうか。子どもたちには教えなくてはならない。「ならぬことはならぬものです」と。(水・KK)      

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