コラム

2006/09/26

運動会が生むもの(水・KM)


▼運動会のシーズンである。小学生は校庭できちっと整列し、先生の笛に合わせて動く。紅白の帽子をかぶり、秋空のもと元気に駆け回る。自らの勝負のみならず、クラスとしての勝ち負けにもこだわり全力を尽くす。親も子供の応援に歓声をあげる

▼中学生になると少々照れが見え始め、全力が格好悪いと思い始める。「何あいつ熱くなってんだよ」なんて言ってみたりもする。一方で、異性を急激に意識し始める年齢のため、格好悪いところ見られたくないなど、狭間で揺れ動く

▼学生時代を終えると運動会というイベントからごく自然と離れていく。年齢を重ねるにつれ、チーム対抗など体を動かしながら仲間意識を持ったり、対抗意識を燃やしたりする機会は減っていく。一時期、「個人主義」や「脱会社」などが叫ばれ、参加者の減少などから多くの会社が社内運動会などを廃止した

▼しかし、昨今そういったものが求められる傾向にあるようだ。(財)社会生産性本部の調べでは「運動会などの親睦行事に参加しても良い」新入社員の比率は調査開始以来最高の82・7%を記録。また担当したい仕事について、「チームを組んで成果を分かち合える職場」を希望する回答が増加してほぼ8割に達し、調査開始以来、最も高い水準となった

▼察するに個人主義より集団との関わりやコミュニケーションを求める傾向が強まっているようだ。殺伐とした時代こそ仕事だけでなく、運動会などでチームを組み、勝利に向かって無邪気に全力で駆け回ることが重要なのではないだろうか。そこで生まれた小さな仲間意識や絆が仕事に良い影響を及ぼす気がしてならない。(水・KM)

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