コラム

2006/10/31

「土木の日」の再認識を(水・HN)


▼11月18日の「土木の日」をご存じだろうか。土木技術や土木事業への理解を深めてもらうため、各地で様々なPR事業が展開される

▼土木の日は、土木との触れ合いを通じて土木技術、土木事業への認識、社会資本整備の重要性を理解してもらうため、土木学会、日本土木工業協会などが建設省の支援で昭和62年に制定。土木の2文字を分解すると十一と十八になることから、11月18日を土木の日とし、土木学会創立記念日である11月24日までを「暮らしと土木の週間」とした

▼では「土木」の語源はどうか。それは「築土構木」から来ているという。紀元前2世紀に中国漢代初期の諸侯王、淮南王劉安(わいなんおうりゅうあん)が書いた書物「淮南子(えなんじ)」の13巻に書かれている言葉。古代中国の城壁都市を形成した時の表現で、外敵から身を守る壁(土)を築き、門(木)を構えるという意味。つまり人が住み、よりよい生活を送るため、環境を整備し、維持することが土木の語源的な意味となる

▼人は長い歴史の中で木や水などの自然を元に文明を構築。日本では先人が戦後からの驚異的な復興を果たした。筆者の目の前を見渡せば、当然のように存在する公共施設。何もはじめから存在していたわけでない。しかし、この生活にあまりにも慣れすぎているため、社会資本整備の重要さが国民に浸透していない気がする

▼国の公共事業関連費はピーク時に比べ約半分の7・2兆円なるなど削減の一途。その間、着実に施設の更新時期が迫っている。土木の日、先人の残した知恵で作り出された公共施設の行く末を、一人でも多くの人に考えて頂きたい。(水・HN)

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