コラム

2006/10/05

読書の秋にミステリーを(前・HM)


▼すっかり秋である。日中の日差しはまだまだ強い日もあるが、風は心地良い涼しさになってきた。秋と言えば、食欲の秋、運動の秋、読書の秋と盛り沢山。筆者などは、俄然「食欲派」なので、この時期になると、秋刀魚だ、キノコだ、鍋物だ、と急にソワソワしてくる。しかし、悲しいかなダイエットを心がけなければならない身の上。食欲をぐっと抑えて、今年は読書の秋に力を入れてみたい

▼筆者の読書はミステリーが中心。途中でやめられなくなって、気がつけば寝不足ということも多い。この類のジャンルは硬派にとっても時には楽しいものなので是非おすすめしたい

▼ミステリー小説の舞台には、建築物が多い。それも一風変わった建築物だ。本当に作れるのか?と思ってしまうものも少なくない。絶海の孤島に建つビクトリア様式の豪邸。そこに住む車椅子の主人とその妻。妻は大体、知的で清楚で美しい。まさにミステリーというな設定だが、それにしても絶海の孤島の豪邸。一体どうやって建てたのだろう

▼材料や重機は、できるだけまとめて船で運んだのだろうか。作業員は、通えないので仮設住宅でも作って、住み込んだのか。コンクリートはどう考えても打てないだろうし。それでは、秘密の地下室はどうやってつくったのか。そもそも建築許可はおりているのか

▼そんな事を言うのは、まあ無粋なのだろう。しかし、かの坂口安吾氏は、推理小説を「智恵くらべの高級娯楽」と位置付けている。ならば、舞台である建物も、設計上、構造上に無理があってはいけないのかもしれない。一流の建築士が描く、最高の舞台でのミステリーに出会いたい。(前・HM)

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